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第4章 もっと“聴く”(1)

4-1 伝えるためには知識を貯めよう
【事例】第5話 聴くことの重要性

今日は春学期の授業最終日。来週から始まるテストに向け、多くの学生が大学内の図書館に集まっている。ノートのコピーをとったり、本を探したりと大忙しだ。
さとしとあなたも、前期の試験に向けて勉強の真っ最中。ただ、夏のインターンシップのエントリーの締め切りも迫っているようで・・。

テスト勉強もやべぇけどさ、お前エントリーシート書いた?

一応書いたけどさ、書く事が少なくって文字が埋まんないんだよな。

俺もなんだよ・・。でもな、あまりにも書くことねぇから、1週間前から色々調べはじめたんだ。

えぇ!?

例えば、俺がリーダーシップを持っているっていうことを主張したいんだけどさ、経験だけじゃなんとなく自己陶酔に見える気がしてさ、リーダーシップに関して本を読んだりとか講演きいたりとかしてみたんだよね。そしたら、自分がやってきたマネジメントが、客観的に解説できるようになったんだよ。

 実際に、さとしのエントリーシートはリーダーシップがあることを証明するための根拠が豊富になっていた。あなたは少しの間に差をつけられたと感じた。

やばいな、出遅れたみたいだ・・・。根拠をつけるためには、色んな事を知る必要があるのか・・・

【講義】聴くことで知る

自分の意見を主張するためには、根拠が必要であることはもうお分かりいただけたと思います。では、その根拠はどこから持ってくればよいのかというと、『”知識の海”』からです。『自分の意見(主張)を支えてくれる根拠をその都度“知識の海”から探してくること』がコミュニケーションなのです。知識は”聴く”ことによって入手できると考えています。ここで言う“聴く”は英語で言うCaptureに近いです。何か新聞を読んで入手した知識も”聴く”に入るし、何かの著作を読んで入手した知識も”聴く”に入ります。有名な人の講演を聞いて得た知識も”聴く”に入れて考えています。また、自分が海外に行って異文化交流を体験した、高校で部活動等の部長を務めたなどという”経験”も聴くに入ると考えます。
さとしは、まさしくこの“聴く”作業をすることで、自分の意見に対する根拠を厚くしたようです。

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第4章 もっと“聴く”(2)

4-2 聴いた情報を分けて整理する
【事例】第6話 事実と経験で分けて整理する
今日は試験の最終日。さとしもあなたも今日で試験が全て終わったようだ。前日徹夜で試験にのぞんださとしは、試験が上手くいったことで、変なテンションになっている。

よっしゃー!テストも終わった!後は夏休みだけだっ!!ラリホー♪

おいおい、エントリーシートは提出したのかよ?

あ、やべぇ、わずれでだー。うー、今日はもう眠りてぇ・・・。

おい、眠る前にさ俺のエントリーシート見てくれない?この前さ、お前が調べて根拠増やしてるの見てさ、おれもやってみたんだよ。

さとしがあなたのエントリーシートを見ていると、またもやつとむ先輩登場です。

おーっと、徹夜明けの仲良し二人組はっけーん!

(つとむさん、大学に来すぎだよな・・・。この人本当に働いていんの?)

なに、二人でこそこそ話してるんだよ。お!二人でエントリーシートの見せあいっこですか?仲良しでしゅねー。どれどれ、俺にもみせてみろよ!

そう言うと、つとむは二人のエントリーシートを読み始めた。

ほー、二人ともレベル上がってるじゃねーか。ちゃんと“聴く”作業してるって伝わってくるよ。いいねいいね。そんな頑張っている後輩にちょっとアドバイスしちゃおかなぁ。

何っすか?
何ですか?

沢山“聴いた”情報はな、いづれは根拠になるわけだ。で、根拠には、事実と非事実と2種類ある。それを上手く使いこなすためには、聴いたときにこの2種類で整理しておくことなんだなぁ~。

根拠を整理?

【解説】聴くを2つに分けて整理する

大量な量の”聴く”を2つに分けて考えます。1つは経験を源とした”聴く”でこれは自分が主語となって蓄積されます。もう1つは事実を源とした”聴く”。これは経験以外の全てが含まれます。このように”知識”を貯める時に整理して入れることでそれを使う時-自分の意見を支える根拠として使う時-に大変便利かつ、効率的になります。

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