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2009 年 2 月 4 日

第3章 相手に“伝える“方法(2)

カテゴリー: 第3章 – admin – 5:51 PM

3-2 様々な根拠をつけて伝えよう。

【事例】第5話 経験も事実も根拠になる
あなたとさとしは、学食で就職活動のエントリーシートを書いている。夏にインターンをすることにしたようだ。

 エントリーシートでは、自分の能力をアピールする必要があるんだよな。

 そうだよな。俺はなんといってもリーダーシップかな。テニス部部長だしぃ。

俺は、しいて言うなら行動力かなぁ。でも、この間努先輩が言ってたけど、意見には根拠をつけないと伝わらないんだよな。自分には行動力があるっていう意見にどんな根拠をつければ伝わるだろう

そうだなぁ。お前の場合はこの間テニス部でユニフォーム作るときに、先頭にたってスポンサー企業集めてくれたじゃん。あん時、俺はこいつ行動力あるなぁって思ったぞー。

あぁ、そうだな。その経験を根拠として書いてみるか

 そのとき、今日も学食に食べてきていたつとむ先輩が通りかかった。今日も焼肉定食を手に持っている。

おー、お前らインターンに参加するらしいよな。お!エントリーシート書いていてんのか。ちょっと見せろよー。

そういうと努先輩は二人の文章をのぞきこんだ。

おー、二人ともちゃんと根拠をつけて書いてんじゃん。すげぇ、進歩!

あなたは、やっとつとむ先輩に認められた気がした。

んー、でも一見したところ二人とも主観からくる根拠ばっかりだな。実は根拠には客観的な根拠もあるんだ。どっち使ってもいいけど、知っておくと便利だぞ。

そういうとつとむは、満面の笑みで焼肉をほおばり始めた。

ほんっと、ここの焼肉定食は日本一だよな。これは俺の主観だな!

【解説】意見を強く支えてくれる根拠の必要性。経験(主観)でも事実(客観)でも構わない。

第1章で述べたように、相手に自分の考えを伝えるためには「根拠」が欠かせません。相手に自分の意見を伝えるためには「なぜそう考えたのか(=根拠)」を一緒に伝えた方が、より伝わりやすくなるのです。
根拠として使う時には、「それが自分の経験からくる根拠」なのか「事実から来る根拠」なのか引用先を明示して使います。より、伝える相手との認識の齟齬をなくすためです。自分の経験から来る根拠であるならば、”自分の○○という経験によると・・と明示します。今回の例でいうと、さとしもあなたも「テニス部での経験による」根拠を示しています。 
一方で、事実から来る根拠もあります。例えば、さとしがリーダーシップがあるということを事実の根拠で示すとしたら、「さとしが実践したマネージメント方法は、海外で効果が発表されており、A社の業績が30%upした方法である。」などです。また、様々な文献から根拠をもってくる場合もあります。その際は特に明示が必要です。そうしないと盗作になってしまいます。最近、ビジネスマンやビジネスウーマンを中心に一部の大人にもその引用先を示せずに自分の知識のように宣伝されているかたが多いのは残念なことです。

事業計画やビジネスモデルなどの仕事だと根拠に数字を用いた知識を見つけておくことが先ほど書いた考え(アイデア)を強力に支援することになり効果的です。
しかし、根拠は、数字で表されるものだけではありません。根拠には、客観的なモノと主観的なモノがあり、主観的な根拠(自分自身の経験談など)もしっかりと自分の意見を支えてくれるものがあります。