collaboyou教材ページ


第5章 構築する

5-1 自分の意見(主張)と知識を根拠として結びつける

エントリーシートを無事に提出した二人は、夏休みの計画について話をしています。

夏休みは、どっかに遊びに行きたいよな。でもさぁ、どこに行くにしても男同士っつーのは味気ないよなぁ。あー彼女ほしー!!

おいおい、大声出すなよ・・・。

そこに、いつものようにマネージャーのまりが大きく手を振りながら走ってきた。

さとしせんぱーい。何してるんですか?

お前はいっつもついてくるよな。何で俺に付いて来んだよー、もしかして俺のこと好きとか?

・・・・・・

え・・・・・

まりは急なふりに顔を真っ赤にしていた。そんなまりの反応に、あなたもさとしも戸惑い無言が続く。そんな空気の中、まりが堰を切ったようにしゃべりだした。

そうなんです!私先輩のこと好きなんです。先輩の部活動を率いるリーダーシップを見てて頼りになるなぁって思ってて・・・、あといつも明るくしゃべっているところに元気をもらってるし・・・、先輩の服のセンスも好きだし、テニスが上手いところなんて本当にカッコイイし・・・。とにかく先輩のこと好きなんです。

まりは、そういうと返事もきかずに走り出した。さとしは、ただ呆然とするばかりで、しばらく何も考えられないようだ。

・・・・・・

良かったな、彼女できそうじゃん。で、返事どうする?

【解説】誰もが出来る論理型
皆さんがこれまで書いてきた文章で最も身近なものは感想文ではないでしょうか。その中でも夏休みの読書感想文は誰しもが経験してきた例でしょう。実は評価を得る感想文を書くのは、とても難しいことなのです。
まりの告白の場面を見てください。まりはさとしを好きだという理由を(混乱しながらも)しっかり伝えていますね。これは意見に根拠をつけているので、論理型であると言えます。一方、皆さんがこれまで学んできた感想文とは、感性で書く文章なので、意見と根拠というセットで語る必要はありません。本書では、そのような表現方法を感性型と呼びます。感性型で告白するとしたら、歌にして思いを伝える方法もあるかもしれませんし、ひたすら好きということを叫び続けてもいいでしょう。相手に伝わり告白が成功するなら、なんでもありです。皆さんに人気の歌手が、プロポーズの時に歌を作ったなんて話を一度は耳にした事があると思います。それこそ、究極の感性型のコミュニケーションですね。
しかし、感性型のコミュニケーションとはとても難しいものです。一種の才能が必要とされます。一方で論理型は、極端な言い方をすると意見に根拠をつけさえすればいいのですから、誰でも簡単に行えるコミュニケーション方法です。論理型は鍛錬する事によって、根拠が洗練されていき、より相手に伝わるコミュニケーションが可能になりますが、感性型は練習をすればいいというものではありません。
あなたはどちらで勝負しますか?

カテゴリー: 第5章 –